2010年09月25日

うっすらと笑ったまま、ママちゃんは1人雲の上のハイキングに出掛けてしまった。

皮膚や内臓が少しずつ固まってしまう難病だった。その病気からくる肺の病気をも患い、普通の人の4分の1しか肺が機能していなかった。そしてチューブで鼻から酸素を補う『在宅酸素療法』が始まり、外出時も酸素ボンベを転がして歩いた。
心臓に負担がかかって肥大化し、頭が酸欠で認知症になり…。
ママちゃんは何十年もたくさんたくさん怖い想いをしてきた。

「まだ生きたいよ!」と泣いた。「もうどうにかして!」と訴えた。自分の名前と年齢を叫んだ後に「…もうウンコもオシッコもしたよ?」とベソかいた。父親が薬を取りに行ったと知ると「その薬のんで死ぬの?」と不安な顔をした。
「36度8分で死ぬ人はいないよ」
そう笑うと腑に落ちない顔でワガママを言い始めた。
「おーい お茶!」と5分おきにお茶を要求したり、わざとベッドから落ちそうになったり。
「わかった! お母さん構ってもらいたいだけだね?」と突っ込むと「うん」と頷いた。


Matulikomatulika33 at 00:06│コメント(0)トラックバック(0)

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