2020年05月25日

今日はじいさんの誕生日で、
生きていたら83歳。

最後の2ヶ月は病院の ICU で、ベッドに縛られたまま苦しんで苦しんで亡くなった。


色々あって、自分で建てた立派な実家から駅近のアパートに引っ越し、1Kの小さなアパートに。
生きる気力をなくし、食も細くなり、
食べたいモノを私が一緒に食べることでなんとか食事を摂っていた。


店とアパートを行ったり来たり、病院の付き添い。入院もあった。
時間もなけりゃ体力気力もギリギリだったある日、
麻&革作家の inomari さんが、亀有の吉田パンで『あんマーガリン』を買ってきてくれた。

コッペパン。あんマーガリン。
一口いただいたら とっても美味しい。

私はそれを半分こし、じいさんのアパートに持って行った。

「これは昔のコッペパンだ」

じいさんは 美味しい美味しいって食べてくれた。


じいさんの誕生日、
今年は吉田パンのコッペパンにした。

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相変わらず美味しい。


亡くなる1年は、これでもか!ってほど苦しんだじいさん。
心身ともに。
可哀想で可哀想で、今でも泣ける。
そんな日々の中、
美味しいって食べてもらえたコッペパン。
少しでもしあわせな気持ちになってもらえたこと、
いまだに救われている。


若い女子プロレスラーが自ら命を絶った。
自殺にしてもそれは寿命なんだな、と最近思う。
本当は生きたい。誰だって。
けど、もう心が生きていけない。
だからそれも寿命。

寿命だけどさ、
誹謗中傷もツラいだろうけどさ、
死んでくなよ。
残された家族や仲間や、そんな大切な人たちの為に生きてくれ。


アパートに引っ越したじいさんが、
1人でファミマに買い物に行くようになってくれて、
「パスタが意外とうまいぞ」
とか言って、
そろそろ買ってこなくちゃ、と思っていた台所洗剤も買ってきてくれた。

ツラかったろうし、悔しかったろうし、
それでも前を向いてくれたのは、
たぶん私の為。
その気持ちを思うといまだ泣けて泣けて、
もう6年近く経つのか。

じいさんが買ってきてくれた台所洗剤のボトルを、私はいまだ捨てられない。

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Matulikomatulika33 at 13:45│