2020年09月04日

Instagram の漫画見てて思い出した。


小1の夏休み、ママちゃんのお姉さんにあたる伯母さん宅にお泊りさせられた。
おうち大好きっ子なので、

させられた

って表現。修行に近い。

他にいとこはおらず、私と姉だけ。
キツい性格の伯母さんと、口数少ない職人の伯父さん。←なんなら子供嫌い。

従姉妹のお姉ちゃんは、上が能面みたいな表情のない人で、「遊んであげなさい」と言われれば遊んでくれる。
無表情のまま。

下のお姉ちゃんは、ワガママで癇癪持ちで、いとこの中でもちょっと問題児。

そんなとこに何故私を置き去りにした!!!


(´;ω;`)

誰とも仲良くしたくない私は、
当然いとこの誰とも 下手したら口も聞いたことがない。


その夜、伯母さんは三味線のお稽古に出掛けていた。
ママちゃんと声だけは少し似ていて、
だから伯母さんだけが救いだったのに。

姉は和室で伯父さんと能面と癇癪持ちと4人、トランプをしていた。
途中で癇癪持ちが何やら叫んで2階の自室にドシドシ音を立てて上がっていった。

私は、
玄関からすぐのリビングで、早く伯母さん帰ってこないかなー、と思いながら
持ってきていた夏休みの宿題をやっていた。

日記だ。

夕飯にスパゲティを食べた。
それだけ書きたかったのだが、『スパゲティ』の『ティ』って

なに?
どう書くん?

英会話教室に通っていたので、
『スパゲT』

ゴシゴシ… (←消しゴム)

違うな、いきなり英語じゃおかしい。
何かあるハズだ。

と、そこへ姉がやってきた。
トランプ大会がお開きになった模様。

「おねえちゃん、スパゲティのティって絵、どう書くの?」

すべてのパーツが『・』で出来ているような、下がり眉の冴えない子供 (私) は、
『字』と『絵』の区別がまだ出来ていなかった。
どちらも紙に書く行為だし。

と、
姉が
「こうだよっ」って、
日記帳のそのページを鉛筆でぐちゃぐちゃにした。
文も、オレンジ色で描いたスパゲティの小さな絵も、そのぐちゃぐちゃの下。

「スパゲティの絵を描いてあげた」

後から姉は言い訳していたが、思い出しても
まじ死ねや
って話だ。

ダムが決壊しそうになった時、玄関がカラカラと陽気な音をたて、
伯母さんが帰ってきた。

「ただいまぁ」

その声はやっぱりママちゃんと似ていて、
涙がポロポロ ポロポロ流れ落ちた。


親同士の間で何となく私も『要注意人物』とされ、それからお泊りさせられることもなくなったのだが、
その夜のお陰で『字』と『絵』の区別は出来るようになりましたとさ。

めでたしめでたし。



じゃないわ!




Matulikomatulika33 at 19:35│