2021年02月17日

元気をもらえる先輩がいる。


1人はママちゃんのお友達で、80を超えたご婦人。
たまに電車に乗ってお墓参りに来てくれるのだが、世の中のことを話しながら野の花にも足を止め、

「お話できて良かったわ。まだまだ頑張らないと」

とか言ってくれるのだが、
私の方こそ すごいパワーをもらえる。

生前、
というか昔から

「あんたは友達に恵まれなくて残念ね」

とママちゃんに言われて育ったのだが、
ご婦人と話しているとその言葉を毎回思い出す。

なるほど、残念に思うわけだ!

ってくらいの唯一無二のパワーをもらえる。


もう1人は、
同業の先輩。
両国の実家でお店をやっていて、たしか70は過ぎたハズ。

今日、少し教えてもらいたいことがあり、久々に先輩に電話をした。

ハリのある声。
元気そうだ。

質問はすぐに解決し、世間話となる。
コロナ禍、
お金問題。

収入が減ったり、すぐ先の未来が不安になると、
どうもお金に敏感になる。
みなさん。

羨ましい、という気持ちは憎しみの色もまとっていて。

世界中が貧乏になる中で、
ゲーム業界なんかは黒字だったりして、
そう、
みんな良い時もあれば悪い時もある。
だから

○○だけズルい

という発想は私の中にはまったくないのだが、
去年秋くらいから
そんな「ズルい」って気持ちが表に出ちゃってる人が多くなってる。

人間の本性が分かるから面白い。


先輩は言った。

「タルヲシル」

樽を知る?


学のない私の脳裏には
函館赤レンガ倉庫のビヤ樽がずっと浮かんでいたのだが、
話していて分かった。

足るを知る


だ。

上を見たらきりがない。
いまある状態に感謝する。
極端に言えば、

いま生きていることに感謝、だ。


(あれ?
 なんかこの前 同じこと書いたな。
 『ハードル地下』って)


あれが欲しい、これが欲しい
じゃなく、
あれがあって幸せ、これもあって幸せ

じゃない!?



先輩は続けた。

「白いごはんに梅干し、これでいいんですよ」。

「そう!」


興奮して声がオクターブあがった。

「お金じゃない、
 これ美味しいなー
 あー楽しいなー

幸せってそういうモノですよね ‌ 」




前回アコレで買ったキャベツが鬼キャベツで、どんな細かい千切りにしてもガギガギしてた。
仕方なくレンチンしてからサラダも食べてた。

昨日買ってきたキャベツも覚悟していたのだが、
さっき千切りにしたら

すんげーやわらかいの!

春キャベツ!



「あーキャベツうまい! しあわせだー!」

ってデカい独り言が飛び出た。



久々に先輩と話した今日は、
とっても清々しい気持ちで、

……ちょっと居眠りなんかしちゃった 



はい、閉店!
コロッケ揚げるでー!




‌ 追記 

コロッケ食べたさに言葉足らずになってしもた 

先輩は若い頃、
二十歳前から世界を旅していた。色んな国で働いたり、アクセサリー作って路上で売ったり、
英語は中学生レベルなのに。
私も英語はひどいのでよく分かる。伝えようとする気持ち、理解しようとする気持ちがあれば言葉は何とかなる。

もとへ。

で、
世界中で集めたモノがたまった40代に、店を開いた。

昼間の電話で先輩は言っていた。

「僕は世界中を旅してまわったけれど、自分1人の力でそれが出来たとは 金輪際思ったことないですよ。
あちこちでみんなに助けてもらって、助けてもらえたお陰で旅が出来た」。

「そうですよね、世の中 助け合いです!」

またオクターブ高くなっちゃったけど、
コロナ禍、
困った事態に陥っちゃった時、

お金がない、あいつはある、うらやましい!

って1人悶々と唇噛みしめるんじゃなくて、
事情を話してまわりに助けてもらって、
自分に余裕があるなら助けの手を差し伸べて、
そうして生きていくべきじゃねえか、と思うの。

で、キャベツがやわらかくて嬉しかったり、超熟食パンが『半額』でラッキー!
だったり、

そんな小さな、
小さいけど素敵なしあわせに感謝できれば
ココロはアラブの大富豪。



じいさんがよく言っていた。

「人は良い意味で利用しあって生きてくもんだ」。

格言の多かったじいさんは、
けどその言葉だけは自分に言い聞かすような感じもあった。

たぶん『利用』って言葉が悪かった。

利用じゃないよ、助け合い。
助け合って生きてくもんなんだ。 


(なにこれ、前回の続き?)

Matulikomatulika33 at 19:51│