被災

2019年10月19日

大きな台風が来るというのに、マツリカのモンステラはまた新しい葉を広げようとしていて、

生きるってなんだろう。

アコレに水1ケース買いに行く前にふと思案した訳です。

何も知らず、もしくは知っていて、
いや どちらにせよ、
命ある限り精一杯生きる姿。
それは、『そろそろ命が尽きそうな期間』などない、生きるか死ぬか、の命の期間。

人間なら、たとえば70歳くらいまではなんとか動けても、それ過ぎたら寝たきり覚悟とかさ、
そういうイメージがあると思うんだ。
寝たきり覚悟期間があってからの、死。
そんな甘っちょろく考えてるんだ、たぶん。
だから植物の『生 (せい) 』を見ると、ドキッとする。

次の瞬間 死ぬかもしれない。

そんな恐怖より、

次の瞬間 死ぬかもしれないのに『いま』を精一杯生きる。

そこに私は軽くショックを受けるのだ。

・・・また着地点見えぬまま書き出したのだが、
たしかにショックは受けた。


そして、
他人事のように、
自然を冒涜した罰だよ。
とは決して思わなかった 12日 土曜日。
ただただ、少しでも台風が小さくなってくれますように、と祈るのみ。

福島の友達とずっとラインしていて、

友『910ヘクトパスカルだったのが945ヘクトパスカルに』
私『増えてね!?』
友『いや、普通の台風並みになった』

なんてアホ丸出しのやりとりの後、

友『伊豆に上陸したから弱まるハズ』

そこに、良かった! と思った自分がいた。
自分が被災しなきゃいいんだね、って、すぐに気づく。
そしてTV。
『伊豆と関東に上陸』の文字。
福島の友達もまた、
自分が被災しなきゃいいんだよね。気遣って『関東』て言葉は出さなかったけれど。

そういうもんなんだ、って思う。
人間は皆、独りなんだ。
そう、痛感する。
寂しくはない、決して。ただ、甘えていた自分に鞭打たれた感。

避難云々の緊急メールが二度届き、Facebookの葛飾区グループの投稿と、TVと、ラインと。
冷静なラインをくれる友達に、
『さすが 311を経験してるから強いね』
と送ると、
『毎回あたふた』と返ってきた。

友達には家族がいる。
守らなきゃいけない存在がいる。

責任。

今回 改めて思い知ったのが、責任というモノの重圧。
マツリ子はアパートの大家さんでもある。今は3世帯のみ入居だが、1階の2部屋はどちらも歩くことが難しい女性の独り暮らし。
せめて、と思い、金曜日にソーラーランタンを配りに行ったのだが、
それでも当然、心配は尽きない。

実家は姉に任せたが、あまりの楽観加減に、これまた心配。

これが、
死のうが怪我しようが知ら~ん。自然災害だし、しょうがないじゃ~ん♪
みたいに思えたら、どんなに楽だったか。

私が長い間 闘っている相手は『責任』なんだ。


生きること。命があるということ。
人は独りなんだ、てこと。
責任の重さ。


それから一夜明けた13日 日曜日。

何もなかったかのように3連休を楽しむ人々。水元公園の倒れた木々を見に行く野次馬。

そんな暇があるなら、避難所の片付けを手伝えよ。

店の片付けにおわれながら、舌打ちが出る。

区内全小中学校が避難所と化した。
区の職員は数名だし、彼らにも心配な自宅や家族がいる。
避難所を旅館か何かと勘違いするバカが多かったらしい。Facebookに怒りの投稿をしていた男性がいた。

『店じゃないんだよ。避難した方は客じゃないんだよ』と。

そこに真っ先にコメントした女性。
言葉使いは穏やかだが、私は棘を感じた。

『そのようなボランティアがあるなら広報で分かりやすく募集してくれたら』
という内容。

バカなの?

投稿した男性が分かりやすく返コメしていたが、投稿を読めば言いたいことは分かる。
たとえば、高齢といっても女性のトイレ介助を男性が、てのは嫌だろう。

避難した者同士で助け合う。

ボランティアなど募集していないよ、自らが出来ることをするんだよ。
台風が過ぎたら、椅子やなんやかんや、片付けを手伝うのも当たり前なんだ。

江戸川河川敷の野球場、
水没して子供が野球をできない。
悲しいね、って投稿も見た。

どうでもよくね?
悲しい? 1ヶ月も待てばまた野球できんやで? てか、野球やる健康な体であることに、まず感謝じゃないの?

葛飾区は腐っても東京23区。
街は整備が行き届いてる。
少し外れた地方の惨状を見てよ。床下浸水、泥だらけの床。
あれだけでも私だったら3日は寝込む。
さらに、土砂崩れ。水にのまれた命、命、命。

お見舞い申し上げます
とか、
他人事過ぎて私は言えない。
何も言えない。
なーーーんにも! 言えない!

ただ黙々と泥を掻き出す背中に、「お見舞い申し上げます」なんて言えない。

『ボランティア』という言葉さえ、
これちょっと上から感覚なんだね。初めて気づいた。
ボランティアに行く余裕があるから使う言葉なんだもんね。
もう『助け合い』に変えた方が良いと思う。


1週間が過ぎ、
「もうやめて下さい!」て程の雨がまた降って、
起きた。

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モンステラの葉がだいぶ開いていた。

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私が『ニラ』と呼んでいる花も、こんな寒さの中、狂い咲き。
種が飛んだのか、
その奥にも、
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また蕾をもっていた。

生命力が半端ないピラカンサの赤い実が、多肉の上に一粒 落ちていた。
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放っとけばまたここから芽を出すので、奥に放り投げる。


命について、
自分の甘さについて、
本当に色々考えさせられる災害だった。
自然がいちばんこわい。何よりこわい。
自然には絶対、勝てない。
そして、
『台風をふりかえる』てなタイトルの記事を書けることに感謝。
まだまだ、ふりかえるなんて早い。
福島の友達が言っていた。

311の仮説住宅、やっとなくなったのに、また仮説住宅作らなきゃ

って。


Matulikomatulika33 at 14:02│

2019年09月21日

10日前、
そろそろママちゃんの命日 (9月17日) だなぁ、なんて布団に入る時に考えていた。
ママちゃんの戒名には『妙』という字が入っている。
ざっくり言うと『立派な女性』という意味。

マツリ子は小さなアパートの大家さんでもあるのだが、
妙子さんというお母さんが難病の娘さんと共に入居していて、
妙子さん、
6月初旬に空室の掃除に行った時、暑い中 たくさん買い物をして自転車で帰宅。

「あ、妙子さん、こんにちは!」

2階のベランダから声をかけると、
「あら」って見上げた顔がとても疲れていた。

大家さんの仕事でアパートに行く時、よく妙子さんと立ち話をした。
アパートの少々急な階段を慎重に降りてくる私に
「落ちないでよ」って少し笑いながら、見ると妙子さんが玄関前でうんこ座りして煙草を吸っている。
ショートカットに痩せた華奢な体で、Tシャツにレギンス姿。

「いや、ホント私 運動神経ないから危ないんですよ」

笑いながらの世間話の流れで聞いたのは、
妙子さんがたくさん持病を抱えていたこと。

「いつぽっくり逝ってもおかしくないのよ」


だから、あの暑かった6月から、
大丈夫かな?って気にしていた。

ママちゃんの命日から、戒名『妙』、妙子さん。
大丈夫かな?って思いながら眠りについた翌日、
妙子さんの訃報を聞いた。

電話をくれたのは、同居する娘さんの妹さん。
声があたふたとしていて、心細さが伝わってきて、
私は何も言えなくて
何をしたらいいのかも分からないまま外に出たら、マツリカ花壇のニラみたいな花が咲いていた。

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蓮の花にも似た、やさしく包んでくれそうな小さな花は、
その真ん中に妙子さんが穏やかにゆったりと座っているような気がした。

それから1週間後の、先日、木曜日。
難病の娘さんと話す機会があり、
無理せず、何かあれば相談して下さい、って、
そう伝えることができ、少し安心した。
『妙』という字のお話もできた。

「名前の通り、立派なお母さんだったと思います」

そう言うと、娘さんは一粒、涙を流した。


妙子さんが亡くなり、ママちゃんの命日が過ぎ、そして今日は あねごの命日。

※去年書いた記事『あねごの命日』を読む方がとても多い。語呂が良いのかな?

あねごの命日を絶対忘れないのは、
今日はママちゃんの誕生日でもあるゆえ。

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ニラの花がたくさん咲いた。


そんな訳でしばらく元気がなかったのだが、
昨日、嬉しいことがあった。

知り合って30年近く、仲良くなって四半世紀の兄さんが、
「久しぶりに連休とれたから」って、台風の被災地、千葉の鋸南町にボランティアに乗り込んだのだ。
友達の多い兄さんだから、Facebookはいいね!がたくさん。

なんか、
嬉しかったんだよね。
ホントに体力に不安がなければ駆けつけたい訳で、ホント悔しかった訳で、
兄さんが行ってくれたこと、
私の分もおなしゃす! みたいに。

311 の後、兄さんは東北にも行っている。
被災地を見てきて、大工になりたい!と連絡をくれた。
じいさん (←大工でした) に伝えたが、じいさん自身に体力面で自信がなかったのと、
あと兄さんには家族がいるから。キレイな奥様と、可愛い娘ちゃんが2人いるから。
昔の大工と違って、今は大工ほど3Kな職業はないんじゃないかな。

キツい、汚い、危険

ではなく、

キツい、汚い、危険、稼ぎが少ない

4Kだ。

そんな訳で、兄さんの大工への道は絶たれたのだが、その気持ちをずっと持ち続けている人だから、

やっぱり行ってくれたか!

とっても嬉しかった。


木曜日の閉店後、
マツリカン Y田さんがやさしいピンクのカーネーションを持ってきてくれた。
「明日からお彼岸だから」と。

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今は亡き人、ツラい人、がんばる人、
たくさんの人に届けたい、小さな花束。


Matulikomatulika33 at 14:20│

2019年09月12日

昨夜、
ドラマの最終回の『いいとこ』で、たぶんすぐ近くに雷が落ちた。
メキメキッ! よりも鋭い音に思わず肩をすくめると、
TVがプツン。

まさかの TVだけお亡くなりに?

ゴロゴロ ピカピカをBGMに、TVの出費にため息をつきながらFacebookに『いま』を投稿すると、
今度は停電。

いきなり五感が研ぎ澄まされた。

停電なんて小学生の頃以来。
311の時も停電はしなかった。(←金町)

数分後に復活し、同時にTVもよみがえったのだが、
雷と雨の音だけがする シンとした真っ暗な室内、

めちゃくちゃ怖かった!


台風15号による被害は、
台風が去ったからといって終わりではなく、断水・停電、いまだ続く地区は多い。
扇風機と保冷剤があるから、エアコンなしの暑い夜を乗りきれたが (←マツリ子)
電気がない今、台風一過の猛暑の下、熱中症でお亡くなりになっている方もいる。
亡くなる寸前くらいツラい人もたくさんいる。

昔、音楽にたずさわる仕事をしていて、千葉担当だったので、千葉のバンドマンとは今もFacebookやらでつながっている。
彼らがシェアしてくれた『現地の様子』から、情報を得ている。

何かっつーとスマホでググって、出てきた情報を さもそれらしく語るバカがいるが、
で、「TVは信用できない」的な感じでカッコつけてっけど、
TV、ラジオ、新聞、ネット、
みんな同じ媒体だからね。
コントロールだって いくらでもされちゃうんだから。

とりあえず、TVはダメだ、こりゃ。 
となるとネット。
特に今回は Facebookの友達の投稿。実際に千葉に行ってみた方々の記事。
彼らのレポートと写真を見ていたら、

あぁ、
これが『被災』ってヤツなんだ。。。

そう思った。

水をたくさん買って車で南房に行こうかと今朝まで思っていた。
南房に引っ越したマツリカンがいる。
小さい頃の夏休み、必ず連れていってもらった海も南房。

けど、
箇所箇所の道、危険もあるらしい。二次災害になるから安易な気持ちで行かない方がいい。
レポートにはそう書いてあった。

となると、
自衛隊と東京電力、まずは頑張ってくれ!!


災害があると内閣支持率が下がるんだって。
だからTVでは大して取り上げないのだろうけど、
こんな時、

「2020年のオリンピックを白紙にし、その分の予算を被災地への復興にまわします!」

とかさ、
ヘルメットかぶって宣言した方が よっぽど支持率あがるのにね。
バカだよな。
バカ過ぎて扱いやすいけど。

先ほどセールスの電話がきて、
「国がすすめるキャッシュレス云々」言うから、
「国は信用してません!」って断ってやったんだけど、
ホントあてには出来ないから、自分で水や食料くらいは蓄えておこう。

あと、
蛇口ひねれば水が出るありがたさ、
ピッ、て押せば快適な生活が出来るありがたさ。
そしてやっぱり、
戦争になったらもっと悲惨よ? ってとこにたどり着く。

憲法9条、守らねば。


Matulikomatulika33 at 15:15│

台風15号の影響で千葉県を中心に続いている停電について、東京電力パワーグリッドは11日夕、全面復旧は13日以降になる見通しを明らかにした。

 同社によると、11日午前8時時点で約47万戸が停電していたが、神奈川、静岡の両県では停電が解消。11日午後11時現在、千葉県東京都の島嶼(とうしょ)部の約38万戸が停電している。台風による同社管内の停電では「規模、期間ともに過去最大級」としている。

 千葉県の復旧は、千葉市周辺で12日中、それ以外のエリアで13日以降になる見通し。10日夜の時点では11日中にすべて復旧させる見通しを示していたが、設備・施設に想定を超える被害が確認され、山間部での作業が難航するなどしているという。会見した塩川和幸・技監は「想定が甘かったことは反省している」と述べる一方、「全面復旧は(きょうから)1週間、10日かかることはない」と語った。

≪ 朝日新聞 DIGITAL 9月11日 23時25分 ≫



Matulikomatulika33 at 14:12│